気持ちをどんよりさせたまま、靴箱へ行った。

靴箱にいたのは、桜くんだった。

「先輩、待ってたんですよ。 部活無いのに、遅いから心配したんですよ。」

桜くんは、やさしい笑顔で言った。

「ごめん。 ちょっと用事あって....。」

泣きそうなのを我慢して、精一杯の明るい笑顔で言った。

「......。 先輩、大丈夫ですか? 元気なさそうですけど....。」

なんでわかるの?

元気がないのは、桜くんのせいだよ。

桜くんが、こんなに好きにさせたから...。

「ありがとう。 大丈夫だよ。」

このままでいたい。

わがままなのはわかってる。

桜くんのやさしさに、甘えちゃダメですか?