「今からじゃ無理そうだね」



駐車場に向かう途中、季蛍はそう言って苦笑いをした。



「んー……」



「でも別に大丈夫!また次行けるし」




「…でも本当は行きたかっただろ」




「ううん!そんなことない。せっかくのオフだし…デートで潰すのも…。病院で働くってそういう事でしょ」




そう言って俯く季蛍の手を握ると、驚いて顔を上げる。




「……わかってる。…本当は行きたかったって顔に出てる」



「そ、そんなことなッ」




片手で顔を覆って首を振る季蛍だけど。




「まぁ季蛍はわかりやすいもんな。次のオフ、どこ行くか考えといて」



「………」