「もー!家の中でラブラブしないで!」




愛優の声が聞こえてから、腕の中から解放された。



「いいじゃん、喧嘩ばっかりの親よりいいだろ?」




「それドヤ顔で言わないで!」





「んふふ、はいはい。わかったよ」




「ラブラブしすぎなの見てる方が恥ずかしいんだってば」




「だからって病院でラブラブするわけにはいかないだろ」




「……じゃあラブラブしなきゃいいじゃん」




「だってよ?季蛍」




「…それは無理」









「……でも別にいいんだけどね。喧嘩してるよりは」




呆れたのか納得したのかわからないような笑みを浮かべて、愛優は机を布巾で拭いてくれた。