食べ終えてからベッドに潜って、溢れ出そうな涙をこらえる。
こんなんだから泣き虫だって言われるんだけど。
しばらく布団の中に潜っていたら、寝室のドアが開く音が聞こえた。
「季蛍、点滴刺してあげるから」
ぽんぽんと背中を叩かれて布団から顔を出すと、もう準備をしている蒼がいた。
「…またするの?」
「するよ…だって治ってないから」
「………」
「何で目が赤いの?泣いた?」
ぐっと顔を寄せられて、じーっと目を見つめてくるから、思わず逸らしてしまった。
「な、泣くわけないじゃん」
「…だって目赤いんだもん」
「別に………」
あっという間に点滴が刺さって、布団をかけ直してくれる。
「泣き虫ちゃんは何年たっても変わらないね」
「っだから泣いてないんだってば!」
「んふふ、余計涙溜まっちゃうよ?俺リビングの片付けしてきちゃうね。寝てな」
「………」