愛優から受け取った器には、湯気をたてる美味しそうなポトフ。


……いつの間にか料理が上手になって。



「ほら、季蛍。自分で食べられる?」



「……大丈夫」



「俺も食べよっかな…愛優…ポトフなんていつ作れるようになったの?」



「え、いや…んふ。調理実習とかあるから」



「上手。おいしそうな匂いする」



「…そう?ありがと…ちょっと頑張った」



「季蛍もこれなら食べられるだろ」



そう言って振り向くと、季蛍の手からはコトンとスプーンが落ちた。