「点滴入れていい?明日もずっと点滴入ってるかも」


「ずっと…?」



「うん。突然意識飛ばしたら嫌だろ?また」




「………」



「まあ蒼先生いるから」




「家で点滴って…なんか嫌ですね」




「ん?そんなことない。場所が変わるだけなんだから」



「……」




「夏来くんも季蛍の心配してるんじゃないの?早く治さないと」




「……私体弱すぎません?何年もこんなことばっかり」



「そんなことない、もういちいち考えないの」




「…治ったってすぐに」




「そんなこと考えてたってしょうがないでしょ。治すって言ってるんだから。季蛍は心配することない」



「……」



「ね」



話している間に点滴を刺して、点滴のパックをカーテンレールにひょいと掛ける。



「治すって言っても頑張ってるのはいつも季蛍だな」



そう笑えば、季蛍は首を横に振った。