上半身に掛かっていた布団は全部捲って、パジ
ャマのボタンを開けていく。



「家で高島先生の診察受けるの、何だか変ですね」


「何が?……季蛍は蒼先生の方が良さそうだもんな」



「……」



「ノーコメントかよ」



「…いや」




「入院避けて欲しいって言ってたのも蒼先生なんだよ、実は」



“ごめん”と一言かけてパジャマの隙間から手を入れる。


「…えっ?」



「蒼先生、俺が考えてくれたって言ってたみたいだけど。本当は蒼先生が季蛍の為にも入院避けたいなって」



聴診器を当てれば、しっかり音が聞こえてくる。



少しの沈黙の後、聴診器を抜いて。


「入院入院もちょっとあれかなっ…て。もちろん季蛍の体調面は考えてるけど」



「………」



「蒼先生、今でも季蛍にデレデレだもんなぁ。季蛍も幸せだな」