───「高島ー!!意識戻ってるよ」
蒼先生が季蛍を連れてきてから2時間半。
医局に咲谷先生の姿が見えると、俺を見るなりそう言った。
「え?」
「ん?意識が戻ってるって」
「誰から聞いたんですか?」
「うーん……河崎さんだっけ?俺河崎さんのことののちゃんって呼んでる」
「あ、それは聞いてないです」
「…っなんだよいいじゃんか」
「関係ない話ぶちこむな」
蒼先生にばしりと言われて苦笑いの咲谷先生は、奥へと入っていった。
「ちょうどお昼の時間だし俺も行くよ」
「…季蛍、蒼先生見たら泣いちゃうんじゃないですか?いろんな意味で」
「そうか?…入院だって言われることは覚悟してそうだけどな」
そう笑う蒼先生と医局を出て、診察室へ向かった。