「季蛍!」





高島が体を揺さぶって名前を呼ぶと、季蛍の手が動く。



「あッ…季蛍、………季蛍!」



「……っん」



季蛍の手を高島が握って呼びかけると、ゆっくり目が開く。



「わかる?…診察室」



「高島先生…」



「…何があった?」



「……」



「気分は?」



「…大丈夫…だと…思います」



「体起こしてくれる?」



「…ん、」