その時パタパタと足音が聞こえて、医局に季蛍が戻ってきた。


すぐにソファの蒼先生の隣に腰をかけると、季蛍の手は蒼先生の額に伸びる。

「…あったか」



「7度4分だって言ってるだろ?医者が医者心配してどうする」



「確認だもん。…仕事するって」



「微熱心配してる場合じゃないだろ」




「……一応触っただけだもん」




医局の奥へ消えていく季蛍を見て、蒼先生は少し嬉しそうな表情を浮かべる。



「触っただけだもん、だって。子供か」



「蒼先生、薬いらなそうですね。季蛍の力で何とかなりそう…」