呼吸する度に『ヒューヒュー』と音が聞こえる。



「季蛍先生、喘息の発作ですね?今誰か呼んできます」




冷静な看護士の服を掴んで、首を横に振る。



「い…ぃッ…ハァ……」


「でも」



「くす……ある」



「季蛍先生…、もう呼吸が」



それでも首を横に振ると、看護士の困惑した表情が目に入った。