「…んで…なんで治まんないの…」




握りしめた錠剤の袋が、くしゃりと手の中で小さくなった。


腕時計は午後8時。


これから医局に戻って、カルテの仕上げをしなくちゃいけない。



最近は落ち着いていた喘息の発作が、私の体の動きを止める。



トイレに体を縮めて、薬の効き目を待つけれど…。