「あや吐いてる?」


「ん…ううん、だい……じょぶ」


振り絞った声も震える。


「鍵開けて。季蛍が呼び出しで病院行っちゃってるから」



「……」



力を振り絞って鍵を開けると、ドアが開く音が聞こえた。



「え…愛優」






高校生にもなって恥ずかしい。



……こんなの。



「早く呼ばないとダメでしょ。まだ吐く?」


首を振ればパパはトイレから出て行って。



全身を使って呼吸を続けても、苦しさは治まらない。



すぐに戻ってきたパパはどこかに電話をかけていた。



もう片方には毛布が握られている。




「…るしい」


「喋るな。そんなに吐いてないし救急車待つより向かった方が早いから……な、病院行こ」



自分の中ではたくさん吐いてしまった気がしていたけれど、そんなに量はないらしい。



体に毛布が巻かれて、そのまま抱えられる。



「…苦しいか?」



頷くとパパの頷きも返ってきた。