助手席で袋に何度も戻してしまう愛優を見て、やっぱり連れ出して良かったと思った。 夜のすいている道に車を走らせて、病院に。 診てもらえるといいけど。 体を支えながら救急外来の入り口から入ると、患者さんは数名しかいなかった。 受付を簡単に済ませて、待合室でまだ戻し続ける愛優の隣に座って。 「血吐いたの?」 「………」