何とかソファに座ったと思ったら、背中を波打たせた愛優は口元を押さえて屈んでしまった。



「…ほら、袋。何か悪いもの食べたっけ」



背中に手を当てさすってあげながら、できる限り思い出しても…心当たりがあるものはなくて。



「……ッ」



袋に戻してしまう愛優の隣に腰をかけると、ちょうど携帯が鳴って。


着信は蒼からで……


「はい」


「季蛍?もう家?」



「うん、さっきついたところ」



「愛優どうしてる?さっき病院に電話があったって」



「愛優吐いてる。…でも大丈夫」




「電話では血吐いちゃったからどうしたらいいかって電話してきたらしいけど?」



「…え?」



「でも途中で切れたから心配してくれてた。看護士が」



「…血…吐いてないけど…」



「俺当直だから病院にいるし…ダメなら連れてきた方がいいですよって看護士が」




「わかった…様子見る」