荷物を下ろして洗面所に行ってみると、鏡の目の前にしゃがみこむ愛優がいた。 「愛優?…だいじょぶ?」 膝に顔をうずめてしまう愛優の背中に手を触れて、覗き込んでみる。 「…さっき吐いちゃった」 「気分悪いの?」 ほんとに小さく頷く愛優の首元に手をやるけど、熱さは伝わってこない。 「リビング行こ。薬飲んだ?」 肩を抱いて洗面所から出てリビングに入ると、またその場に座り込んでしまう。 「薬……んで…なぃ」