「離れて」


「やだ」


「暑いよ…私今勉強中なんだけど」



ベッドの上でパソコンを見つめる季蛍の体を腕の中に収めれば、不満そうな声が聞こえる。


「喘息チェック」


「んもう…大丈夫」



そう言って体を押してくる。


「本当はぎゅうってしたいだけ」


「…え!!じゃあ余計離れてよ」



耳を赤くしているくせに体を押してきて、


『やらなきゃいけないカルテたくさんあるんだもん』

と一言。