「絶対蒼…」


ぼそぼそ呟く季蛍に目を向けると、もう襟元のボタンを外していた。



「…今日は随分と早いな。いつもはのろのろしてんのに」



「早く仕事行きたいので」



「外来入れた俺が悪いみたいな言い方」



「別にそんな言い方してないです…」



パソコンのカルテ入力を進めてから、もう一度季蛍に目を向ける。



「…ボタン外しました」


「まだ下に何か着てない?」



「え……?」



ボタンを外したと言っても…下にまだ布が覗いている。

「あ…肌着」



「じゃあ下からボタン開けて」



「結局そうなりますよね…」



「下のボタン、外しますね」



河崎さんが下からボタンを外してくれて。


「…元気なのに何で診察室になんか」


「文句言わない」


「…ごめんなさい」