「いいよ、次の患者さん」


前の患者さんのカルテを入力しつつ、河崎さんに声をかけると、扉を開けて出て行った。


1分もたたないうちに、また扉が開く。


季蛍に続いて河崎さんも入ってきた。



「私本当は午前から仕事なんですけど…」



「知ってる」



「……」



すごく不機嫌そうな季蛍は、扉の近くにある荷物置き場に荷物と…手に持っていた白衣を置いた。



「わざわざ午前中の外来に私入れなくても」



「退院直後の体調管理が大事なんです」



「…わかってますけど」



「わかってるのに食事を取らないのはわかってないんじゃないのか?」



「…蒼から聞いたんですか?」



「さぁ」