「季蛍、退院後初めての出勤でしょ。後で俺のとこ来て」

高島にそう言われて、季蛍は不安げな顔をする。



「え…あ、はい」








「芙羽、凜さんに怒られるぞ」




「そうですよ~。芙羽くん急に抱きつくなんて…誤解招くじゃないですか」



「ごめんごめん、でも待ってたんだよ?」




「あ…ありがとうございます。おかげさまで」




「何々?何かあったの?」



季蛍を囲む俺らの輪に首を突っ込む港は、季蛍を見るなり目を見開いて。



「季蛍さん~!退院したの?おめでとう」



「ありがとうございます。夏来、結くんをお世話したって喜んでました」



「あは、本当?うちでよければいつでも。今度は季蛍さんも一緒にね」



港は俺の肩と季蛍の肩をポンポン叩くと、
『じゃ!』と去っていった。