「こんだけ食べるの拒む患者さんいないよ~?
副作用あるわけでもないんだから」



「…夜…蒼来てくれますか?」





そう言って目を潤ませる。



「夜?……時間開いたら来てもらえるんじゃない?」



「………」



「俺からも言っとくから」



「……」



そう言えばほんの少し口が開いて。



そこにお粥を乗せたスプーンを入れる。



「…食べれるじゃん」



潤んでいた目に貯まった涙を拭ってやって、目にかかる前髪をそっとかき分ける。



「良くなってるから。もう一息」



「…退院、いつになりますか?」



「うーん…ちょっと長引くけど明後日くらいにはできるといいね。


蒼先生に会いたいんだろ?じゃあ元気になればいいだけ」




そう言えば、小さな頷きが返ってきた。