キッチンから出てきた港は、手にゼリーを抱えている。
「はい、夏来くんも食べる?」
「食べる!!」
「んふ、緊張とけるの早いな」
笑う港についていく夏来を見て、『確かに…』と心の声が漏れた。
「陽」
「ん?…あ」
港の腕の中から結くんを抱き上げて、陽さんはニコニコ。
夏来はというとゼリーを持つ港についていく。
ゼリーで緊張が解けるって…
「あ、それで?季蛍さん何日に退院できるの?」
テーブルにゼリーを並べる港に問われて
「んーまだわかんないかな。高島から連絡ないから少し様子見るのかも。今日聞いてみるけど」
と返事をすると、港の頷きが返ってくる。
「いただきます」
ゼリーをひとつ手にして、港にぺこりとお辞儀をする夏来を見て思わず笑いがこみ上げてくる。
「可愛い~!!どうぞどうぞ」
港もすっかり気に入ってくれたみたいだからいいんだけど。


