中に入ると陽さんがお茶を入れて待っていた。



「忙しかったのに呼んでよかったの?港」



陽さんは港の服を引っ張って言う。



「大丈夫です、これから出かける用があるし」



「そうなんですか」



「陽さんは体調大丈夫?少し崩してたみたいだけど」



「はい、港のお母さんにもお世話して頂いて。おかげさまで」



「良かったね、港も心配してたよ~?」



「んなこといいんだよ」



照れながらキッチンへ消えていく港を見て、陽さんはクスクス笑う。



「夏来くん可愛い、2人にそっくりですね」



「そうかな?夏来…挨拶は?」



「……」



「あれ、緊張気味」



「んふ、初めてですもんね。」




「ごめんね」



「いえ、全然。結も男の子だから蒼くんに聞けそうなこと、いろいろありそう」



「ああ、そうかも。」