──ガラガラ
「…はょ…ざい…ます」
小さくて元気のない声が聞こえる。
「…おはよう。座って」
「やっぱ…り帰る…」
「逃げないの。点滴打つだけなのに」
「…高島先生にはお世話にならないようにするって言いました…」
「うん?知ってる、昨日聞いたもん。でもしょうがない」
「……」
「点滴の準備、いい?」
「はい」
看護師の声が聞こえて、パソコンから季蛍に視線を移す。
「顔色は悪くない。午前中点滴して熱が下がったら仕事出ていいから。な」
頭をポンポンと二回撫でて立ち上がる。
「ほら、おいで」
「……」


