「高島先生…」



声が聞こえてデスクから振り向いてみると、目が覚めた様子。



「おはよう。よく寝てたな」



立ち上がると、季蛍は体を起こした。



「…すみません、こんなつもりじゃなかったのに」


「びっくりした、倒れただなんて言うから」



「……もう入院は嫌です」




「誰もそんなこと言ってないでしょ」



「だって…」




「7度3分。熱は微熱だから大丈夫、蒼先生に連絡入れて帰るときに迎えに来てもらうから。

今日の夜はゆっくり寝れば熱も下がるよ」




そう言って季蛍の首もとに手を触れる。



「熱上がってくるようなら明日の仕事は少し考えなね」



「……」



「仕事うんぬんより今は体。肺炎治ったばかりの季蛍に仕事無理してほしいなんて誰も思ってないから」



「でも…微熱で休むなんて」



「微熱だから以前に俺が許可出さないからね」



「…え」



「主治医に止められてるのに文句言う人がいる?いないっしょ!」



そう言ってまたデスクへ戻る。



「蒼先生に今連絡するからね」



「…高島先生」