──「ただいま」


部屋に入ると、ソファには愛優の姿。



「あれ、具合は?」



「……」



「ん?」




「大丈夫!ちゃんと明日は学校行くから」




「……」



「…ごめんパパ」



「何が?」



「……」



「愛優?」




「ん…ごめん、仮病使った」



「知ってる」




「どーしても…体育出たくなかったから」





「…何で?」




「…薬切らしてるし…この前体育で喘息出て」



「それでか」



『言えよな』といえば、『ごめんなさい』と小さな声。



「わざわざ仮病使って学校休むことないだろ?」



「…だって…なんか怒られると思って」



「仮病使った方が怒るんだけ…」



「まあまあ!愛優大丈夫ならいいじゃん」


そう言って季蛍は笑顔を向ける。