「高島先生!!」
「ん?」
久しぶりに医局で聞く季蛍の声。
「チェックお願いします」
「うん……うん?」
「え?」
「顔色悪、だいじょぶ?」
「へ……大丈夫です」
「あ、そう」
高島の横に突っ立っている季蛍は、焦りの表情を浮かべて俺をチラリと見る。
……わかりやす
「うん、おっけ」
「ありがとうござ…」
言い掛けた季蛍の額に高島の手が伸びて。
「…熱くない」
「んもう、大丈夫です!」
「んふふ、心配なんだもん」
ふてくされたように表情を浮かべた季蛍は、そのまま医局を出て行った。
「高島もついに敏感になったか」
「いや…ぶり返されたら困るんです」
「季蛍は隠すからいけないんだよな」
「隠し事しなきゃいいだけの話ですよね」
「まぁ…言えない気持ちもわからなくないけどな」