「蒼先生って…精神科医的な所ありますよね~」


そう言って隣で昼ご飯の菓子パンを食べ始める高島。



「…は?」



「ん、だから…精神科医的な」




「何?精神科医的な…って」




「んー…なんか…わかります?」




「わかんない」




「こう…患者さんの体より心寄りみたいな」



「…は?」



「患者さんの体優先よりこころ優先みたいな」




「俺そんなつもりないけど…」



「はは、そうなんですか。いや、でも蒼先生無意識に人の心読みとる癖ありません?」


「…え?ないよ」



「いや、季蛍とかだってそうですし…この間の愛優ちゃんも…あ、愛優ちゃん大丈夫ですか?」



「ん、今日は休んだみたいよ」



「やっぱり具合悪かったんですね」




「んー……仮病…仮病って言い方があれだよな、何か大丈夫なのに辛いって言ってるような気がして」



「…嘘ついてるってことですか?」



「いや、俺はさ…別に疑ってる訳じゃなくて…怠そうに見えないから不思議なだけなの。すごく辛いって言われたから」



「愛優ちゃんもいろいろあるじゃないですか、女の子だから。蒼先生に言いたくない一つや二つありますよ」



「…そんなもんかね」



「蒼先生に言っちゃったら病院に連れて行かれると思っててもおかしくないですもん。愛優ちゃんも愛優ちゃんなりに考えてるんですよ」



「んー……高島子ども育てたことあるの?ふふ、かなり子ども目線」



「いやぁ、患者さんに結構大きい女の子がいて」



「…女の子は大変だよな」