「これ、季蛍の分の資料」



「あっ…ありがとうございます」




入院していた時の仕事の話を高島先生から聞いていると、ようやく蒼がリビングに戻ってきた。


「大丈夫ですか?愛優ちゃん」



「ん……うん」



蒼は何か困った顔をして私と高島先生の向かいに座る。



「仮病。…熱もないし顔色も悪くない。脈の乱れもないし…聞けば俯いて黙りこくっちゃって。


俺に仮病を使う意図が読めないな」



「…どうして仮病なんか?何か嫌なことでもあるんですか?」



「さぁ…わからない」