「大丈夫です、無理しないです」


そう言えば高島先生はにこりと笑った。



「蒼先生ーいただきます」



コーヒーカップに手をかけた高島先生は、リビングにはいない蒼に声をかけるように言った。


すると、ガラガラとドアを開ける音が聞こえて、蒼がリビングに顔を出した。



「あ、どーぞ。高島さぁ…体温計持ってる?」



「え?…あ、はい」


高島先生のポケットから体温計が出されて、それが蒼に渡される。


「ありがとう。俺病院に置いて来ちゃったみたい」



「…蒼先生体調悪いんですか?」



「はは、違う。愛優」



「愛優ちゃん…?」



「体調悪いって言うから熱計らせようと思って。顔色も良いし大丈夫そうなんだけど」


そう言って蒼はまたリビングから消えていった。


「愛優ちゃんも体調よく崩すの?」



「最近はそんなことなかったんですけど…」