「問題なーし」



高島先生はそう言うと、聴診器を抜いてボタンを留めてくれた。


嬉しくなって思わず笑ってしまう。



「んふふ、良かったな。良くなって」



「高島悪いな、わざわざ家に来てもらって」




キッチンから蒼が出てくると、コーヒーを机に置いて言った。



「いえ~。明日からは出勤できますね、季蛍も」



数日前退院許可が下りて、家に戻ってきた私だけど…まだ出勤は許されなくて。



それでも高島先生が家に来てくれて、明日からは仕事をしてもいいと言われた。


「病み上がりで抵抗力弱ってるんだから無理するなよ」



高島先生がボタンを留めた後、ポン…と頭に手を置く。