──トントン

   ───ガラガラ



「大丈夫ですよ、落ち着いて下さい」



1人の看護士が床で苦しむ季蛍の背中をさすってくれていた。



「発作?」



「いえ、発作ではないです…」



「もしかしてさっきもこんな感じだった?」




「はい」



「そっか、何か飲み物持ってきてもらえる?」



「はい、持ってきます」




看護士が病室を出て行った後、苦しそうに前屈みになって浅く呼吸を繰り返す季蛍の背中を軽くさする。



「何かあった?」



「………」




「大丈夫大丈夫」



体を抱え上げて、ベッドに下ろすと


「高島先生」



と季蛍の小さな声が聞こえる。


「ん?」



「…るしい……くる…」



「落ち着こ」



顔を覗き込んでも、特に顔色が悪い訳ではない。


「大丈夫だからな」


ボロボロ涙をこぼし始めた季蛍は、俺の白衣をぎゅっと握りしめた。



「せんせ……ッ」