──ﾄﾝﾄﾝ



──……ｶﾞﾗｶﾞﾗ



「入るよ？」



病室の電気をつけてみると、床に座り込んでいる季蛍がいて。



「あらら」



「……」



「ナースコールは？」



首を振った季蛍に小さくため息をつく。



「していいよ。俺言ったでしょ」



「……」



「元気な季蛍はどこへやら」



力の入らない季蛍の体を抱え上げてベッドに下ろす。



「入院してから蒼先生来た？」



「……てない」



「そっか。忙しいんだね」



服のボタンを開けていくと、季蛍の抵抗が入るけど。


「聴診済ませたらお粥食べようか？栄養士さんが食べられる時は食べた方がいいって言ってたよ」



「…」