「俺行っちゃうけど、苦しかったり何かあったら必ず看護士呼ぶこと。いいね?」



「…はい」




「仕事のことは気にしないで今日は寝てなさい」



母親口調の高島先生は、病室のテーブルに積み上げてあった仕事の資料に手を置いて



「今日はこれ見るの禁止ね。…体調良くなってから」



「……はい」



「できれば水分もとってほしいけど。…できればっていうか………んー……まぁできれば」



「なるべく……飲みます」




「うん、じゃあ俺行くね。初期なんだから悪化させるなよ」



ポンと頭に手が置かれると、高島先生は病室を出て行った。