「…いや」



「蒼先生が心配してるのは肺炎とか喘息とかそういうものだと思うけど?」



「…はい」



「音聞いた所じゃ肺炎になりかけてるかなって俺は思うんだけど」



「……」



「また入院になっちゃうね」




「……」



向こう側を向いてしまった季蛍は、肩を小刻みに震わしていた。



「泣くなら座って。泣くの我慢しなくてもいいからさ」


肩をトントンと叩いて体を起こしてやると、
『グスン』と顔を覆って泣き出しちゃって。



「…入院やだね」


「はい…」



「肺炎は辛いね」



「…はい」



「でも頑張ったら治るでしょ、肺炎は。死んじゃうなんて……。大丈夫だよ、初期なんだから」


「…ッグス、」



「そりゃあ蒼先生も気づかなくて季蛍も自分で風邪だって放っておいたらそれは…悪化して大変なことになるかもしれないけど。


蒼先生も心配して気づいてくれて…季蛍もこうして俺んとこ診察受けにきてくれてるんだから」



『大丈夫だよ、治してやるから』


そう言って頭をクシャクシャ撫でてやると、「はい」と力のない返事が返ってきた。