診察室に戻ると座っていたはずの季蛍はベッドに寝っ転がっていて。



「あれ?」



「先生…少し息苦しいみたいで」



島内さんが季蛍の側にしゃがんで言うので、頷いて俺も側に椅子を寄せて座った。



額と首もとに軽く手を当てても熱さは伝わってこない。


「うーんと……聴診しちゃうよ、季蛍。楽にしてていいから」



「…苦しいです」



大きく呼吸をする季蛍は、体を若干俺側へ倒して言った。



「苦しい?……心臓か?」



服を遠慮なく上まで捲ると、季蛍の不満そうな目線が視界に入る。


「ふぅーって深呼吸。…いつも患者さんに言ってるからわかるでしょ?」


小さく頷いた季蛍は、ぎこちなく深呼吸をする。


聴診器を当てて音に集中すると、季蛍は不安そうに俺を見つめてきた。



「…深呼吸止めないの。大きく吸って大きく吐いて」