「すみません先生」



「いいえ。桜ちゃん、先生が薬出してあげるから。お家で飲んだら大分楽になると思うな」




看護士の手が桜ちゃんの服に伸びて、そっと捲られる。



「胸の音だけ聞かせてね」



「…ん、ゃ…あッ」



母親の服を握りしめて避けようとする桜ちゃんの肩に左手を置いて、少し寄せた。



「すーはーって息してて?すぐ終わるから」



看護士が隣にしゃがんで『深呼吸だよ』とサポートする中、桜ちゃんの目には涙が浮かぶ。



涙目の桜ちゃんの目を見つめて胸の音を聞いて、服から手を抜くと服を握りしめていた手の力がホッと緩んでいた。