布団から出ていた右手は、強く掛け布団を握りしめていた。 掛け布団を捲れば、体を震わせて唸る陽が。 「陽ごめん、遅かったね」 俺の声が聞こえてないのか、全く反応しない陽の肩を揺すった。 「陽、…わかる?」 うっすらと目は開くんだけど、問いかけに反応しない。 体を起こしても全身の力が完全に抜けていて、支えていないと倒れてしまうほど。 俺の胸に寄りかからせた陽の体はすごく熱くて、熱が高いことは計らなくたってわかった。