「ただいま」



「港…ッ」



「母さん」



「陽ちゃんが…」



「大丈夫、陽は。結は?」



「お父さんが見てる」



「そう、陽に連絡とれなくなったからずっと心配してた、俺も」


ドサドサ荷物を下ろしてある部屋のドアを開けて電気をつけると、布団に丸まる陽がいて。



「…港」


今も焦って俺の名前を呼ぶ母さんに『大丈夫』と言い聞かせてリビングへ。


「陽は平気、何年陽とつき合ってきたと思ってんの」


母さんはコップに水を注いでくれて、俺はそのコップを受け取って部屋に戻った。