「いや…もう炎症も収まってるし、こうやって季蛍ちゃんちに来れるくらいに回復してるんだけど」



「もしかして港くんがしばらく家に帰らなかった時に発熱したのって…」



「…うん。乳腺炎になってた時の発熱なの…」




「ってことは病院に行ったんですか?」




「うん…病院に電話して先生に話してみたら病院に来てほしいって言われて……でもやっぱり夜勤続きの港に連絡するわけにもいかないしね」




「そうだったんですね…港くんが原因不明の発熱してるって言ってたから私も心配だったんです」



「…ごめん…なさい。やっぱり言う気になれなくて。でもすごい不安になっちゃった…んだよね!」



無理に笑っても季蛍ちゃんにはわかるようで、何故か辛そうな顔をして見つめられた。


「…じゃあ結くんにしばらくあげられなかったんですか?母乳…」



「うん…。結には悪いけどミルクにしてたんだよね…。

乳腺炎が治ってからも最近調子良くなくて。
港には無理するなって言われるし。


私本当に体弱いから…結のミルクさえあげられなくて」



「陽さん…それはしょうがないですよ」



季蛍ちゃんはにこりと笑って、また『大丈夫ですよ』と言ってくれる。