「なんかさ…外科医は聴診が雑です。て真顔で言うのアイツ」


そう言えば、蒼は笑いながら


「聴診が雑?…何、どういうこと」


と言った。



「んー…何て言うんだろ。こう…ゆっくり聞いてないって言うか…さぁ」



「内科医に比べて適当ってこと?」



「そうそう!」




「…ええ、そうかなぁ」



「変な偏見だよな~全く。俺だって適当じゃないっての」



「あ」



「…え?」




「でも、何か…わかる。服の上からとかシャツの上から聴診しても気にならない人とか、直接肌に当てて聞かないと気が済まない人とかはいるよね」


「…そうなの?」



「うん。…服の上からで十分って」



「でも…別に適当じゃないじゃん」




「まぁね。何ていうか…意識の問題じゃないの?胸の音聞くの何て患者さんからしたらどの医者でも同じだろ」