体を起こそうとする前に、カーテンが先に開いた。


「…あっ、おはようございます高島先生。起きてらしたんですね」



「…うん」



──シャーッ



少し開けられていたカーテンがもっと開けられたと思ったら、そこには蒼先生がいた。



「あ、おはよう」



数枚の紙を手にして、蒼先生は側の椅子に座る。


「…どう?気分」


「まぁ…まぁ…です」



「そう。さっき血液検査もして…今結果待ち」



「…なんの記憶もないんですけど」



「はは、そう。じゃあ俺が話しかけてたのも記憶にないんだ」



「…ないです」