診察室について、ドアを開けると季蛍さんがベッドに座る陽の目の前に座っていた。



「あ、港くん」



陽の背中をさすってくれていた季蛍さんは、立ち上がってにこりと微笑んだ。



「陽さん…ちょっと興奮しちゃって。過呼吸になっちゃったのも落ち着かせてた所なんです」



「ごめんね、陽も機嫌悪いでしょ」




「……ん、そんなことないですよ」



そういって笑う季蛍さんだけど、陽はむ無表情で俯いているから、相当機嫌が悪いんだと思う。


季蛍さんも思ったはずだけど。



「ありがとね、季蛍さん行ってくれたから安心した」


「いえ、私はなんにも」