「蒼ー」


呼ばれたと思って振り向けば、医局の入り口には港の姿。




「あれ?」




「…悪い、仕事中。引き継ぎの患者さんの検査結果が回ってきたから…目、通しといて」



「…ありがとう。港今日せっかくの休みとったんじゃなかった?」




「あー…覚えてたんだ。そう…とったんだけどね、やっぱり陽の体調が良くなくて」



「陽さん…どうかした?」




「いや、別に大したことないんだけど。ずっと結のこと見ててもらってたから今日くらい母さんに預けて…ちょっとドライブでもって思ってたんだけど。



何か気分悪いって…熱ないんだけど」




「…そうなんだ。陽さんも散々だね」




「せっかくの休みだからな…陽はいい気してない。病院にも連れて来ちゃったし…これから様子見て戻るつもり」



「そうなんだ…まぁ陽さんによろしく。あ、季蛍に食事の話したらぜひって言ってたから今度陽さん誘うって」



「ほんと?良かった…ありがとう」




「うん」