ナースステーションで捕まって、連絡を聞いていたら遅くなっちゃって。
部屋に戻ると既に季蛍は帰りの支度。
「あ。吸入終わりました…もう帰りますか?」
「ごめん本当…ありがと、助かったよ」
「僕にはこれぐらいしかできないんで…」
「そんなことないよ」
「蒼先生にそういわれると……なんか嬉しい」
素直に照れる高島に季蛍は『素直な高島先生久しぶりですね』と笑った。
「良かったね、落ち着いて」
「ありがとうございました…。また迷惑かけちゃいましたね」
「発作はしょーがない」
「……そうですけど」
「まぁ…あんま無理することないからな」
「無理しなきゃやってらんない仕事ですよ」
そう返す季蛍はいつもより強気。
「……まぁそれもそうだけど。季蛍の場合は要注意」
頭にポンと手を置かれて、不機嫌そうな季蛍。
「要注意扱いしないでくださいよ~」
ふてくされたような口調で言うと、季蛍は高島先生を見上げた。
「…高島先生だって最近調子悪そうじゃないですか」
「バカ、そういうの蒼先生の前で言わないの」
「…ん?」
「何でもありません」
俺の名前出しといて後からフォロー…遅いから。