───コンコン
「入るよー」
部屋に入ると、酸素マスクをつけてベッドに横たわる季蛍と、そのすぐ側で椅子に座って、肘を膝についてじーっと季蛍を見つめる高島。
「どうしたの?季蛍のこと見つめて」
「…あ、蒼先生。お疲れ様です」
「お疲れ様」
「季蛍…大変だったんですよ。一度救急でモニターがどうのこうのってなりました」
「…え?どういうこと」
俺も高島の隣に腰をかける。
「…ね?季蛍」
高島がそういうと、季蛍は自分で酸素マスクを外して…
「…ッゲホゲホゲホ、ッゲホ
……すっっごい恥ずかしかったんだよ!!
白衣の前開けられてボタン全部外されて…丸見えなのに救急医の人がそのまんま!
苦しいのに体横にされて……ッゲホ、その後何人も男の先生来たんだから!」
「……んで、高島はその話を聞いてたわけ」
「はい…恥ずかしかったとか言われても。しょうがないとしか言いようがないです」
高島は笑いながら、また酸素マスクを直す。
「今は?」
「これないと過呼吸みたいになりますよ」
高島は酸素マスクを指さして、季蛍の前髪をそっと分けた。