「あー……もう帰ろ。お疲れ様でーす」
「上野先生お疲れ様~」
「お疲れ様でしたー」
「あ」
「おお、偶然」
白衣に手を突っ込んで、何やらため息をついた蒼が笑う。
「これから帰るの?実家に」
「うん。明日から夜勤だけど」
「そう……まぁお疲れ」
「蒼は?これからどっか行くの?」
「んーもう仕事片づいてるんだけどね。季蛍を迎えに」
『喘息』と呟いた蒼はまた小さくため息をついた。
「あ~そうなの。季蛍さん喘息…出ちゃったんだ」
「言うこと聞かない奴だから。……ったく、じゃあね、また明日」
「おう。お疲れさん」