「…でもさぁ、あの患者さん入院したいって言うから何かしらあるのかなぁとは思ったんだけどね」



「何としてでも帰らなかったんでしょ?」




「そう。…検査する前に診察室で2人きりになったらさぁ…急に『先生ありがとうございます』って。


俺なんか…あ、あぁ…みたいな返事しちゃったんだけど」



そういって笑う港の箸が俺の卵焼きを奪う。



「いただきー」



「……子供か」