「いただきます」



さっきまで通話していた携帯を置いて、ようやく椅子に座る。



「大丈夫だった?何、患者さん?」




目の前で既に箸を進める港が聞く。




「あぁ…うん、昨日からちょっと安定しなくて」



「病院戻んなくていいの?」




「んーなんか当直の先生が対処してくれたって連絡。明日の朝診に行くから。今夜中は落ち着いてそう」




病院近くの定食屋さんで港と夕飯。



かなり遅めの夕飯だけど……もはや夜食。



「にしてもさぁ…港あれだよね、ほら。最近主治医になった患者さん…何だっけ?宮島さん?」




「あぁ…うん」



「港が引き留めたおかげで大事に至らなかったんでしょ?さっすがぁ」



「…ッゲホゲホ、何言ってんの。俺はただ検査と怪我の処置をしますって言っただけ」




「でもあれで返してたら?」




「んまぁ…それなりにヤバかったかも」



「病院の誇りですね」




「…そんくらいで誇りなら蒼どーなってんだよ」



「んー?」