「上野先生…ちょっといいですか?」 カルテのチェックをしていたら、看護士がひょこりと顔を出した。 「診察室に入られた患者さんが救急外来の方にいらして……ですね。 ……救急車で搬送された男性の方なんですが…腕と頬の擦り傷だけなんです」 「…救急車で?」 「処置しろと今せがんでいて…」